オーヴァルのお礼と《白の月に舞う》について

東海大学付属大阪仰星高等学校吹奏楽部

第30回定期演奏会


昨日無事、昼夜2回公演大盛況で終演しました。

委嘱新作《オーヴァル・ドリーマーズ》(Oval Dreamers)も

素晴らしいパフォーマンスで初演していただきました!

 昨日も書いた通り、ハカの部分などは、

男子学生がゲネプロでしっかりリアルな動きと叫びに

もう一段アップデートしてくれてました(笑


他のプログラムでも言えることですが、

音色・サウンドとアンサンブルの安定が抜群なので

安心して音楽の世界の中でエキサイトしたりゆったりしたりできます。


第30回という、仰星吹奏楽部にとって節目となる大事な演奏会の

オープニングを飾らせていただけてとても嬉しく思います。

また、素晴らしい演奏での初演をザ・シンフォニーホールで、

沢山のお客様と共に迎えられたことをとても嬉しく思います。


顧問の藤本先生、仰星の皆様、関係者の皆様、

そしてご来場の皆様、ありがとうございましたm(_ _)m

 それにしても、
メインの《ローマの祭》は、 吹奏楽ではなかなか聴かない
全曲(パイプオルガン付き)を 高校生離れした圧巻の演奏で、
それも、その他のタフなプログラムも含め、

1日に2回も(!!)やりきるとは…ブラヴォーです! 



さて、

大阪のザ・シンフォニーホールから所変わりまして、

本日は、東京芸術劇場です。


マエストロ・コバケイこと小林恵子氏と東京吹奏楽団の皆様に

《白の月に舞う》を演奏していただきます。






この曲について少しお話します。


《白の月に舞う》は、2006年に書き進めていた 交響詩的な楽曲
の最初の部分を切り出したものです。 (元の作曲は頓挫)

 その後、大阪で2008年に初演、再演が何度かあり、

2009年、世界中の現代の作曲作品が集まる国際現代音楽協会(ISCM) の
音楽祭「World New Music Days 2009」(スウェーデン大会)に入選、
 (この年だけ「Listen to the World!」という副題がついていました)

スカンジナビア半島の隣に浮かぶGotlandという島の城塞都市・Visbyにて

Gotland Wind Orchestraによって演奏されました。
 スウェーデンは大好きなところなので、非常に嬉しかったです。 

更に、2013年には、「21世紀の吹奏楽 第16回”響宴”」に入選、

龍谷大学吹奏楽部に演奏していただきました。


そして、2015年にブレーンから楽譜出版の運びとなりました。 


この曲には、朝鮮半島の幾つかの音楽、文化要素が溶け込んでいます。


伝統的な朝鮮半島のリズム体系「チャンダン」の一つで、

ヨンナム地方の農楽で登場する「キルグナッ」が大きなリズムモチーフ、

一つの周期となっています。


朧げに重なり合っては流れ消える線には、

東アジアで汎用的に用いられるペンタトニックが入り込んでいます。


タイトルの「白の月に舞う」の「白」は

「朧げな白い月」の意と、もう一つ、韓国の巫楽舞である「サルプリ」に

由来しています。

サルプリは、女性が白装束に長く白い布を両手に持ち舞う舞です。

元は厄払いの意味もあったそうですが、

はじめはとても静謐に厳かに始まり、時が流れるにつれだんだんと速くなり、

まさに神がかったような激しい表現へと移り変わります。

この時間の流れ方は、農楽(サムルノリなどもそう)や朝鮮半島の雅楽でも

同じです。この曲でもそのような性格を持っています。


そうして白の月がうっすらとした表情から次第に高揚し、満ちていく

という様がイメージとして重なっています。

生まれた経緯もあり、とても短い曲なのですが、
 その中での時間の流れ方に淀みはなく、

生命と時間の流れの美しさをこのような形で

吹奏楽で表現することにトライできたことは

個人的に有意義で、その意味で大事な作品です。

そして、そのような作品が、

またこうしてコバケイさんと東京吹奏楽団の皆さんによって

採り上げていただけることにまた大きな喜びを感じます。


この演奏会は、「東アジア文化都市2019」の一環ですが、

他のライナップのように明確な民謡の旋律などは出てこないものの、

この曲には東アジア的な精神性が息づいていると思います。



今日は、私も少し登壇させていただき、
 このようなお話をさせていただく予定です。

とても楽しみです!



  • Facebookの社会的なアイコン
  • Twitterの社会のアイコン
  • YouTubeの社会のアイコン

© 2019 by Asian Magnolia Music
since 12 Feb. 2019