とある指導校吹奏楽部の定期演奏会が近いので、連日合奏に伺っています。
今回自作は演目にないので、他の作品を色々みていますが、 名曲、名アレンジと呼ばれるラインナップが並びます。
『吹奏楽のための第2組曲』『宝島』 『星条旗よ永遠なれ』『シングシングシング』『ラプソディー・イン・ブルー』
この内、後ろの3曲は全てフルスコアがありません。 コンデンススコアしかないのです。出版社がフルスコアをつけていないようです。
(この時点で業界の方はどこの出版社かお察しがつくかと思います。)
私は日頃コンデンスを読むことはほとんどありませんが、コンデンスしかないのなら仕方ありません。これで合奏を進めます。が、何とも進めにくい。大まかなことはできますが、ディティールを詰めるときは各パートにいちいち音を確認していかねばならず、かなり非効率的です。
それでも、ちゃんと正確にリダクションされていればまだ良いですが、ハーモニーの記譜が実際のヴォイシングと違うことがざらにあるのです。トップノートが違うことすらあります。
これがシンプルなポップスとかならまだしも、上にあげたような規模と内容の曲では無理がありすぎます。『ラプソディー・イン・ブルー』なんてもう大変です。ソロのピアノがどう絡んでいるかもわからない。
オーケストレーション情報が極めて乏しいので、各楽器に事前に指示が出せない。音色の移り変わりもわからない。細かいハーモニーバランスが取りにくい。
これはあくまで「補助楽譜」であって、きちんとしたフルスコアがないと合奏が成立しないのではないでしょうか。
不可解なのは、今日では、作家はFinaleやSibeliusなどのノーテーションソフトで楽譜を制作することが一般的です。そして必ずフルスコアを作成するはずです。そしてそのフルスコアをもとにパート譜の作成に入るはずです。だから、パート譜があるということはフルスコアのデータも必ずあるはずなのです。なのになぜわざわざフルスコアをつけないのでしょうか?印刷費?だとしたら、かなりキツイです。
不可解。
フルスコアほしいです。 #Condensed #Fullscore #Rhapsody_in_blue
