昨年(2018年)は、日本の童謡誕生100周年という年でした。明治時代から教育目的で作られ始めた「唱歌」と、当時の児童文学の質を憂いだ鈴木三重吉と賛同者が、「子どもの芸術的心情を育てる歌」としての「童謡」を標榜し、その最初の「童謡と童話を創作する最初の運動」として発刊されたのが童謡誌「赤い鳥」です。この「赤い鳥」の発刊年が1918年(大正7年)で、これを以って日本の童謡誕生とする説が一般的なことから、昨年が100周年ということになります。
本当は100周年の年に終えたかったのですが、これを機に、今100年の様々な時代の童謡を洗いなおしています。歴史を紐解く論考はいくつもありますし、童謡歌手の隆盛、ラジオ時代やテレビの登場などによる童謡の内容や役割の変遷を紹介する書物も色々あります。しかしそれを楽譜から分析的にデータとしてある一定の量で網羅的に示す論考は、私が探した限りないように思います。そこで、それをしようと、まずは、各時代の童謡のピックアップから始め(100周年ですから100曲を選出予定)、それらの音楽的な分析によって、音楽の側から童謡の変遷を検証しようという論考を進めています。今年にまとめて、来年には何らかの形で発表できればと思っています。
そして、その先に、私がこれから書くべき子どものうたの姿も浮かび上がってくるのではないかと考えています。
#童謡 #100周年 #創作童謡 #作曲 #幼児音楽 #幼児教育 #論文
